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特集 第1回神経病理懇話会
第1回神経病理懇話会講演抄録—1.ハンチントン舞踏症の1剖検例,他
A Cases of Huntillgton's Chorea
岡田 万之助
1
,
徳井 達司
1
Mannosuke Okada
1
,
Tatsuji tokui
1
1井之頭病院
1Inokashira Hospital
pp.141-221
発行日 1960年10月30日
Published Date 1960/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901817
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1)遺伝歴が認められ,臨床的にも痴呆,感情刺激性。顔面,四肢,躯幹に舞踏病様不随意運動が著明であった。
2)一般臓器は高度に単純性に萎縮し,脳では,線状体を中心とする高度の萎縮が認められた。
3)神経細胞は3様に変化し,その1は,核の淡明膨化,胞体の一様な淡染化(小神経細胞),その2は,核が濃染,又は淡染して,胞体が濃淡まだらなもの(大神経細胞),その3は,硬化像である。部位的には,線状体,蒼球,小脳歯状核では,1,2が優勢,黒質,中心核では,3が優勢,皮質では両者の中間的な混在を示す。
4)Glia細胞は,線状体,黒質,中心核,蒼球にMakrogliaの増殖が顕著,Oligodendrogliaは,局所的に多く認められるが,全般には増殖が著明でない。Mikrogliaの増殖は見られなかつた。
5)神経細胞,血管の密度が増大して,接着傾向がある。
6)この症例は,臨床的,病理組織学的に,典型的なハンチントン舞踏病と考えられるが,Pick病とは,臨床的,病理組織学的に,病変の主座や,神経細胞に対する侵襲が,逆方向性をとつている意味で,かなりの差を認めた。
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