第2回神経病理懇話会 脳炎・膠質細胞
〔講演抄録〕第2回神経病理懇談会抄録—1.日本脳炎か,他
武谷 止孝
1
,
安陪 光正
2
1九大精神科
2国立筑紫病院精神科
pp.135-200
発行日 1962年3月25日
Published Date 1962/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901880
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日本脳炎は,夏期ことに残暑のころに好発し,臨床症候は,急激な発病,高熱(39℃以上),意識障害(昏睡),髄液細胞数増加などを主症状とする。この際,本病と誤まられ易い疾患には,結核性脳膜炎敗血症性疾患,所謂エキリ,脳腫瘍,急性薬物中毒,粟粒結核などが知られている。
本症例は,晩夏の候に発病し,その臨床症状は日本脳炎とよく一致したが,病理組織学的には日本脳炎に普通ある組織所見を全く欠き,はたして日本脳炎か?と疑われる。ここに報告して,御教示を仰ぎたいと思う。
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