Japanese
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条件反射
人間の唾液条件反射—関西学院大学心理学研究室に於ける知見
Salivary Conditioned Reflex in Human Subjects
古武 弥正
1
,
宮田 洋
1
Yasho Kotake
1
,
Yo Miyata
1
1関西学院大学心理学研究室
1Department of Psychology, Kwansei Gakuin Univ.
pp.371-379
発行日 1959年1月20日
Published Date 1959/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901680
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唾液反射を示標とする人間の条件反射研究の可能性を古武7)8)は1943年に人唾管法註1)を採用する事に依つて明らかにした。即ち,条件刺激としてメトロノーム1分間112拍節音(M112)を60秒間作用せしめ,無条件刺激としてメトロノーム開始後15秒目に酒石酸1/8モル溶液3ccを与える強化手続を1日3分間隔で以つて3回から6回反復し,条件反射形成実験を続行した。此の方法に依つて第4日目から条件性唾液分泌が認められるに至つた。
此の研究の後,無条件刺激,形成方法,或は結果の処理法に改善が加えられ,現在までに条件反射の実験的消去及び汎化,分化条件反射,延滞及び痕跡条件反射の形成,系の形成,型の問題等が明白になつた10)14)16)。此処に人間を被験体とした場合に見られる唾液条件反射の様相を概観し,今後の問題を指摘して行きたい。
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