Japanese
English
特集 脳腫瘍
転移性脳腫瘍の臨床病理学的研究
A Clinical and Anatomical Study on Metastatic Tumors of the Brain.
豊倉 康夫
1
,
塩沢 瞭一
1
,
三上 理一郞
1
,
関 敦子
1
,
所 安夫
2
Yasuo Toyokura
1
,
Ryoichi Shiozawa
1
,
Riichiro Mikami
1
,
Atsuko Seki
1
,
Yasuo Tokoro
2
1東大冲中内科
2東大病理
pp.215-231
発行日 1957年10月5日
Published Date 1957/10/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901590
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I.緒言
転移性脳腫瘍は従来殆んど治療の対象からは遠く,唯他の脳疾患殊に原発生脳腫瘍との鑑別診断上にその主要な意義を認められて来た。不幸にして今日においても尚此の様な処遇を受けねばならぬものが少くないのは事実であるが,最近原発性肺癌の著しい増加,悪性腫瘍に対する治療法の発展或は脳外科の進歩に伴い,悪性腫瘍の脳転移の問題はその診断,脳転移の頻度,外科的手術の適応という面から再び新たな関心を集めている。欧米においては既に転移性脳腫瘍に関する臨床並びに剖検統計的研究は数多くの報告をみるが,未だ本邦に於ては多数の剖検材料についての観察成績に乏しい。我々は悪性腫瘍の剖検例839例について調査する機会を得たのでこれについて種為の観点から検討した成績を報告する。
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