Japanese
English
特集 脳腫瘍
腦腫瘍の組織培養
Brain Tumors in Tissue Culture.
中井 準之助
1
,
佐藤 文明
2
Junnosuke Nakai
1
,
Fumiaki Sato
2
1東大解剖学教室
2東大清水外科
1Department of Anatomy, University of Tokyo
21st Surgical Department, Tokyo University Hospital
pp.203-214
発行日 1957年10月5日
Published Date 1957/10/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901589
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1.緒論
1907年,Harrison1)は蛙胚の神経線維の発育をはじめてin vitroで観察した。この実験が組織培養の端緒となつたのであるが,脳腫瘍の組織培養について述べるにあたつて興味深い事実である。1910年より1930年頃にわたつてCarrelは組織培養の方法について広範な研究を行い,鶏胚浸出液の利用2),Carrel瓶の考案3),廻転培養の試み4)など,種々の成果をあげ,培養手技を確立した。
Maximowは1925年double cover slip methodを考案し,長期培養が比較的容易に行われるようになつた。生きている細胞を生きたままの姿で観察することは古来の生物学者の願望であるが,組織培養という方法がこの願望をある程度まで満たしてきたわけである。
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