Japanese
English
脳の生理に関するシンポジウム 化学的現象を中心に
腦活動の生化学的変化
Chemical Changes in brain tissue with reference to functional activities
塚田 裕三
1
U. Tukada
1
1慶応大学生理学教室
1Department of Physiology, School of Medicine, Keio University
pp.126-133
発行日 1957年4月1日
Published Date 1957/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901578
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I.まえがき
脳髄は機能的に高度に分化したものであり,活動様式の複雑性の為に客観的な分柝を困難なものにして居ります。最近の生化学的手技の進歩は,脳髄で生起する急速な物質変化を定量的に把えることが出来るやうになり,従来までになされてきた多くの生化学的分柝データーと相俟つて脳髄機能の物質的側面の追究が試みられる様になつてまいりました1)。(第1表)は痙攣時の脳内物質の変化について記載されたものであります2)。そしてこれ等の物質の変化率も急速でammoniaは75%/sec,phosphocreatine 20%/sec,ATP 27%/sec,乳酸5.5%/sec,ブドウ糖2.5%/sec,アセチルコリン14%/sec,という値が得られています3)。
又刺激から痙攣発動までの時間経過に伴つて脳内の無機燐,及びクレアチン燐酸の変化を経時的に測定すると,痙攣発動前に既に物質変化が認められるのです。(第1図)
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