Japanese
English
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腦外傷時の腦波
Electroencephalographic Studies of Injuries to the Brain.
桂 重次
1
,
遠藤 辰一郞
2
,
林 誠
2
Katsura, Shigetsugu
1
,
Endo, Shinichiro
2
,
Hayashi, Makoto
2
1東北大學醫學部外科
2東北大學醫學部桂外科教室
1Medical Dept, Tohoku Univ.
2Medical Dept, Univ.
pp.92-101
発行日 1949年3月1日
Published Date 1949/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200015
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頭部外傷患者が,意識消失の儘運ばれて來た時,此症例が腦震盪であるか腦挫傷であるか又は腦壓迫症であるか,或いはどの程度の腦損傷が何所にあるかを判定することは,臨牀症状からのみでは困難である。實際腦外傷の際に,頭皮上の損傷部位と,腦損傷部位が一致せぬことは周知の事である。一方上述の腦外傷の分類が甚だ不合理であつて,種々新しい分類が試みられて居るが,此れも腦損傷の程度,部位が臨牀的に不明であれば分類も困難となる。そこで我々は腦波を利用したなら,腦損傷の部位,程度を知ることが出來るであらうとの想定の下に本研究を行つた。即ち先づ動物實驗で種類のわかつて居る腦損傷の部位から,如何なる腦波が現れるかを檢討して,之を臨牀症例に應用した。其の結果腦波は腦損傷の部位,程度を知り得ることが判明したので報告する次第である。本研究は昭和23年5月,日本外科學會總會に行つた宿題報告の一部であることを附言する。
脳外傷の腦波的研究に關しては,在來相當報告があり,戰時中の各國の研究の全部を通覽したわけではないが,腦外傷の際の腦波變化の一般的規準を示したものはない樣である。
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