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はじめに
われわれが何らかの運動をするとき,体は動く部分と動かない部分に分かれることが多い。たとえば椅子に座って机の上にあるコップをとろうとする場合,上肢は大きく動くのに対し,体幹は逆に上肢の運動に伴う反力に対して体幹がぶれないように,むしろ積極的に支えなければならない。下肢はとくに床を軽く踏ん張っていようが貧乏揺すりしていようが構わないが,それでもサッカーボールを蹴るような大きな運動をしてもらっては,コップをとるどころではない。このように,われわれに意識される腕・手の運動に伴って,それ以外の体の部分は何らかの形で運動が抑制され,運動に伴う反力に対して積極的に動かないように制御することが無意識のうちに起きていると考えられる。また,われわれが運動をしないで椅子に座り静かに物事を考えている状況を想定してみると,体には座っている姿勢を重力などの力に対して維持している部分や,無意識的に自然な位置を保っている部分があり,視線もやたらには動き回ることもない。このような状況でも,無意識のうちに運動は抑制されていると考えられる。
それでは,このような運動抑制の神経機構はどうなっているのだろうか。被験者を用いた,支持筋での運動に伴う筋電位の解析の研究は広く行われているが,運動の抑制機構そのものを扱った研究はあまり知られていない。
Induction of abnormal involuntary movement by subthalamic lesion suggests that unnecessary movements are suppressed in normal animals by the basal ganglia. The basal ganglia consist of putamen/caudate nucleus (Put/Cd) as input nuclei, internal pallidum/substantia nigra pars reticulata (GPi/SNr) as output nuclei. The input nuclei are connected to the output ones in two ways ; (1) directly and (2) indirectly via external pallidum (GPe) and subthalamic nucleus (STN).
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