Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
「大脳基底核の役割は何か?」大脳基底核疾患にみられる多くの臨床所見が示すように,大脳基底核はわれわれの運動機能にとって重要な働き,すなわち運動の発現や制御を行っていると思われる。しかし,大脳基底核が実際にどのようにして運動を発現させ,あるいは制御しているかという質問に対する明確な解答はいまだに得られていない。
大脳皮質や視床に由来する大脳基底核への入力情報は,主として線条体(尾状核と被殼)で受容される。これら線条体に入力された多種多様の神経情報の大部分は,最終的に淡蒼球内節と黒質網様部から大脳基底核の外に出力される。すなわち,淡蒼球内節と黒質網様部が大脳基底核の主要な出力核である。大脳基底核と運動の関係を論ずるためには,大脳基底核の出力系がどのようなものであるかを理解することが必要であろう。一般に,大脳基底核からの出力情報は視床を介して大脳皮質に送られる。たとえば,運動領野(補足運動野や一次運動野)に送られたものは四肢の運動を修飾する2)。これに対して,大脳基底核からの出力情報が大脳皮質を経由せずに直接脳幹の運動機構に作用して,運動の発現や制御に関与する場合がある。情報の標的部位は脳幹の運動中枢である。そのうちもっともよく知られているのが上丘であろう。
In order to answer the question as to “what the basal ganglia are doing”, it is important to investigate how their output systems are organized. The major outflow from the basal ganglia is funnelled through the internal segment of the globus pallidus (GPi) and the substantia nigra pars reticulata (SNr), and is directed towards a variety of subcortical structures. The superior colliculus (SC; optic tectum), a brainstem visuomotor center, is among the most thoroughly studied output targets for the basal ganglia.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.