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特集 神経系のプロテアーゼ・細胞接着・ガイド因子
Ⅱ.細胞接着・ガイド因子
脊髄運動ニューロンのガイダンス因子
Motoneuron axonal guidance.
田中 英明
1
Hideaki TANAKA
1
1熊本大学大学院医学研究科脳・免疫統合科学系,神経分化学
1Department of Neuroscience and Immunology, Division of Developmental Neurobiology, Kumamoto University Graduate School of Medical Sciences
pp.780-787
発行日 1992年10月10日
Published Date 1992/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431900274
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はじめに
神経発生学の分野で,最も重要な問題のひとつは,どのような分子機構によって正しい神経回路網が形成されるのかということである。この問題に関して脊椎動物では,運動ニューロンの筋支配,網膜からの視蓋への投射に多くの研究者が取り組んできており,最もよく現象が記述されてきた。
網膜と視蓋は,二次元的に広がる面と面との特異的対応である。一方,運動ニューロンの場合,標的である筋が解剖学的に分散して存在し(図1),それぞれを特異的に支配することが運命づけられた運動ニューロンのサブタイプが,厳密に決められているという特徴をもつ。ここでは,そのサブタイプごとに伸びる方向が異なる脊髄運動ニューロンの軸索成長について概要をまとめ,それを可能にする未知のガイダンス因子について述べる。
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