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特集 第32回脳のシンポジウム
運動ニューロン疾患研究の最近の進歩
運動ニューロン特異的受容体型チロシンキナーゼと神経変性(抄録)
Tyrosine kinase receptors uniquely expressed on motoneurons and neural disorder
田中 英明
1
Hideaki TANAKA
1
1熊本大学大学院医学研究科神経分化学
1Department of Developmental Neurobiology, Kumamoto University Graduate School of Medical Sciences
キーワード:
運動ニューロン
,
受容体型チロシンキナーゼ
Keyword:
運動ニューロン
,
受容体型チロシンキナーゼ
pp.884
発行日 1997年12月10日
Published Date 1997/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901007
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- Abstract 文献概要
受容体型チロシンキナーゼは,EGF,FGF,ニューロトロフィンなど細胞の増殖や分化,生存などに重要な役割をはたしている成長因子の受容体である。これらの受容体は,リガンドが結合する領域を含む細胞外領域,単一の疎水性膜貫通領域,そして圧いに相同性の高いチロシンキナーゼ活性をもつ細胞内領域の三つの機能が異なる領域から構成されており,細胞外領域の構造から16種の型に分類され,それぞれサブファミリーを構成している。これまでに受容体型チロシンキナーゼの変異によって生ずる病気として,FGFR-3によって生ずる軟骨形成不全症,Retの異常は多発性内分泌腺腫症(MEN)2A型および2B型,家族性甲状腺髄様癌,Hirschsprung病と複数の疾患の発症に関与している。さらに先天性無痛無汗症が,NGFの受容体であるTrkAの異常によることを熊本大小児科の犬童ら1)によって昨年見出されたことを紹介した。
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