特別企画 はじめてのがん遺伝子パネル検査 特別講義
臨床医のためのがん遺伝子パネル検査用検体の取り扱いの基本
畑中 佳奈子
1
,
畑中 豊
2
1北海道大学病院臨床研究開発センター生体試料管理室(バイオバンク)/ゲノム・コンパニオン診断研究部門
2北海道大学病院ゲノム・コンパニオン診断研究部門・病理部/病理診断科
pp.248-253
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200407
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基本はFFPE組織検体
次世代シークエンサー(NGS)を用いたがんゲノム診断がいよいよ始まり、薬事承認された体外診断薬・医療機器などを用い、保険診療下で遺伝子パネル検査が実施される時代が到来しました。NGSを用いたがん遺伝子パネル検査では、腫瘍組織検体を用い、電子カルテ情報で臨床情報を確認しながら、がん遺伝子パネル検査の結果を確認し、意義付けを行ないます。
がん遺伝子パネル検査では、新鮮凍結組織検体や細胞検体、血漿検体(循環遊離核酸)などさまざまな臨床検体が検査対象となり得ますが、日本では現在のところ、通常の病理診断に用いるパラフィン包埋ホルマリン固定(formalin-fixed paraffin-embedded;FFPE)組織検体が主に使用されます。核酸品質がより優れている新鮮凍結組織検体ではなく、あえてFFPE組織検体を用いるメリットは主に次の2つです。
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