特集 ゲノム医療とがん看護 ~私たちはなにを知って,なにをする?~
【がんゲノム医療入門】
がん遺伝子パネル検査とは?
角南 久仁子
1
Kuniko SUNAMI
1
1国立がん研究センター中央病院臨床検査科
pp.721-723
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_721
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はじめに
2019年6月に次世代シークエンサーを用いて数十~数百の遺伝子を一度に解析する,がん遺伝子パネル検査(がんゲノムプロファイリング検査)が保険適用となった.
がん遺伝子パネル検査は,従来の遺伝子検査とは異なる点が多い.たとえば,従来の遺伝子検査のコンパニオン診断薬は特定のバイオマーカーの有無を調べる検査であり,陽性/陰性という結果が報告される.一方で,がん遺伝子パネル検査では検出された複数の遺伝子変異を総合的に解釈し,適切な治療を検討する必要がある.また,一般的な遺伝子検査が医療機関を問わず実施可能であるのに対して,遺伝子パネル検査の実施(オーダー)はがんゲノム医療指定医療機関に限られている.
本稿では,遺伝子パネル検査の目的や用途,対象症例および検査の流れなど,がん遺伝子パネル検査の実際について解説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2020