特集 緩和ケア実践マニュアル Start Up & Beyond PEACE
Part3 症状別緩和ケアスキルBeyond PEACE
がん疼痛のコントロール・2—ステロイド以外の鎮痛補助薬
田上 恵太
1
1東北大学大学院医学系研究科緩和医療学分野
pp.56-62
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200372
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総論
基本は非がん疼痛におけるエビデンス
鎮痛補助薬とは主たる薬理作用として鎮痛効果をもたないが、鎮痛薬との併用や特定の状況下で鎮痛効果を発揮する薬物である。非がん疼痛においては慢性痛や神経障害性疼痛に用いられることが多い。鎮痛薬・鎮痛補助薬の神経障害性疼痛(非がん疼痛が中心)に対する有効性を解析したシステマティックレビューでは、三環系抗うつ薬およびオピオイドの有効性が高かった(Table1)1。
日本ペインクリニック学会では各鎮痛薬・鎮痛補助薬の有効性・危険性を勘案し、神経障害性疼痛全般への第一推奨薬剤としてプレガバリン・ガバペンチン(Ca2+チャネルα2δリガンド)、デュロキセチン〔セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(serotonin & norepinephrine reuptake inhibitors;SNRI)〕、アミトリプチリン・アモキサピン・イミプラミン(三環系抗うつ薬)を第一推奨している2。オピオイドは長期使用による有害事象や依存リスクなどを加味され、トラマドールが第二推奨、その他のオピオイドは第三推奨とされている。またプレガバリンの安易な投薬による危険性の上昇が世界的に危惧されている3。
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