Japanese
English
総説
慢性疼痛,特に神経原性疼痛に対する鎮痛補助薬
A Review on Adjuvant Analgesics for Chronic Pain with Emphasis on Neurogenic Pain
松本 博之
1
Hiroyuki Matsumoto
1
1札幌医科大学医学部神経内科
1Department of Neurology, School of Medicine, Sapporo Medical University
キーワード:
chronic pain
,
neurogenic pain
,
adjuvant analgesics
Keyword:
chronic pain
,
neurogenic pain
,
adjuvant analgesics
pp.319-327
発行日 1995年4月1日
Published Date 1995/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900769
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I.はじめに
日常診療の場で慢性疼痛の対処に苦慮することは少なくないが,通常の鎮痛剤は無効であっても鎮痛補助薬(adjuvant analgesic)が有効な場合が知られている。本稿ではどのような性状の疼痛に対してどの鎮痛補助薬が有効なのかを文献的に調べてその整理を試み,これらの薬剤に対する理解を深め,その応用によって慢性疼痛患者のquality of lifeを高めることを意図している。
疼痛は,その発生機序によって侵害性疼痛(nocicep—tive pain)と神経原性疼痛(neurogenic pain)とに分類できる。侵害性疼痛は,未梢神経が体性あるいは内臓感覚神経を介して受容される疼痛でオピオイドに感受性がある。一方,神経原性疼痛とは神経の機能不全に基づく疼痛で,これには末梢神経障害性疼痛,中枢神経障害性疼痛,求心路遮断性疼痛(deafferentation pain),カウザルギー,反射性交感神経性ジストロフィーなどが包括され,オピオイドを含む鎮痛剤には通常反応しない特徴がある7)。
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