連載 Medical Oncology 2.0[3]
日常診療のDeep Learning その1
公平 誠
1
1公平病院腫瘍内科
pp.130-136
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200266
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医師のアタマのなかを覗いてみよう
前回は日常診療のプロセスを「見える化」することで、がん診療で用いられるスキルや知識のロードマップを考えてきました。各診療プロセスの質を上げることで幅広くがん診療に対応することができるようになります。日常診療では同じ病気の方はいますが、同じ患者さんはいません。私たち、がんに関わる医師やメディカルスタッフは患者さん中心の医療(patient centered care)を実践したいと思っていますし、患者さん自身も自分に合った治療を受けたいと願っています。
しかし、「どの治療が目の前の患者さんにとって最も利益があるか」という点については、原理的には事前に知ることができません。日常診療では医師としての経験や科学的エビデンスを参照しながら、患者さんにとってよいと思われる治療方法を提案していくことになります。今回はこの見えない部分である「医師の頭のなかで行なわれている治療の組み立て」についてケースをみながら次のEBMの手順に沿って考えていきたいと思います。
EBMの4つのステップ
ステップ1:患者の問題の定式化
ステップ2:必要なエビデンスの検索
ステップ3:得られたエビデンスの質の評価
ステップ4:診断・治療へのエビデンスの適用
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