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Deep Learningを用いた尿中赤血球形態の分類
山本 雄彬
1
1東京医科歯科大学病院検査部
pp.1338-1340
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209187
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はじめに
尿沈渣検査は,自動分析装置が上市された現在でも,顕微鏡による目視(鏡検法)を欠くことができない検査である.自動分析装置が無遠心尿を対象とするのに対して,遠心後の沈渣成分を対象とする鏡検法では沈渣成分によって結果が乖離することが報告されている1,2).したがって,自動分析装置のみで全ての検査を実施することは,検査の信頼性の観点から不可能と考えられている3).
尿沈渣検査における鏡検法の必要性が言われている一方で,鏡検法では,検査者間の熟練度の差が,検査結果に技師間差として直接影響する.例えば,尿中赤血球形態は,糸球体型/非糸球体型の判定が尿路系の出血部位の推定に有用である4,5)が,鏡検者が判定に特に苦慮する成分の1つであり,技師間差・施設間差が大きい項目であると考えられている.尿沈渣検査の精度向上には,尿中赤血球などの沈渣成分を,検査者の技量に依存せずに自動分類するシステムの構築が必要である.
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