連載 これからの免疫療法の話をしよう[6]
複合的がん免疫療法
珠玖 洋
1
,
北野 滋久
2
1三重大学大学院医学系研究科病態解明医学講座遺伝子・免疫細胞治療学
2国立がん研究センター中央病院先端医療科
pp.488-493
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200234
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はじめに
前回(第5回)では、免疫チェックポイント阻害薬(immuno-checkpoint inhibitor;ICI)に特有の副作用(有害事象)である免疫関連有害事象(immune related Adverse Event;irAE)について解説しました。
今回はICIを含む併用療法(複合的がん免疫療法)について取り上げます。先行するICIが複数のがん腫において単剤療法で国内外の承認を得ていますが、現在更なる治療成績の向上を目指し、ICIと各種薬物療法(殺細胞性抗がん剤、分子標的薬)、免疫療法、放射線療法などとの併用療法が行なわれており、免疫療法を中心としたがんの薬物療法の開発は新たな段階に入ったと言えます。実際、臨床試験数は2017年9月時点で1,000をはるかに超えています。
また、今回のトピックスとしては、最近報告が相次いでなされた「非小細胞肺がんへの免疫チェックポイント阻害薬先行例において次治療の化学療法の治療効果が高い傾向にある」ことについて解説させていただきます。
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