Feature Topic 最期の最後のがん診療
現場でのスキルとメソッド
経口での内服ができなくなったときに薬剤師はどうしているか
宮城 明実
1
,
塩川 満
1
1聖隷浜松病院薬剤部
pp.418-422
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200222
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副作用予防や予後も視野に入れた薬の使い方
終末期のがん患者は、慢性疾患、化学療法、症状緩和の薬剤と多くの薬を服用している。「薬でおなかいっぱいになってご飯は入らない!」「こんなに薬を飲んでも病気はよくならないでしょ?」という患者の声を前に、我々薬剤師はどの様にアセスメントしていくのが正解か非常に悩むことが多い。
どの薬剤をどの時期に中止すべきなのか? この切実な問いに対してガイドラインもなければ報告も数少ない。更に、この時期は患者本人、家族、医療者のさまざまな価値観が錯綜している。終末期には嚥下障害や意識混濁などにより、余儀なく内服薬剤を中止または注射薬へ変更することが、ほとんどの患者に起こる。この時期の患者の病態は変化しており、薬剤の吸収、分布、代謝、排泄機能などの低下により効果や副作用に影響を及ぼす可能性が高いことが考えられる。
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