Feature Topic みえない副作用
「みえない副作用」からみるがん診療
みえないものをみる—認識からはじめる「みえる化」アプローチ
川上 和宜
1
1がん研有明病院医療安全管理部/薬剤部
pp.40-44
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200153
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抗がん剤のみえる副作用とみえない副作用
抗がん剤治療に伴う副作用は、悪心・嘔吐、下痢、好中球数減少、ざ瘡様皮疹、肝機能障害、末梢神経障害、倦怠感などさまざまである。このなかで、客観的なデータとしてみえる副作用はいくつあるだろうか?
検査値という客観的データでみえるものには、好中球数減少や肝機能障害(血中ビリルビン上昇)がある。例えば好中球数が1,250/mm3であれば、次項のTable1にあるようにCTCAEの重篤度評価ではGrade 2と判断できる。好中球数減少という事象は患者に面談しただけではわからないが、客観的数字から評価ができるため、みえる副作用と考えられる。また、こういった客観的データは忙しい外来診療においても確認されることが多く、そういう意味においてみえやすい副作用であるとも言える。
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