Feature Topic みえない副作用
「みえない副作用」からみるがん診療
みえない副作用—この5年で変わった副作用の評価基軸
岡元 るみ子
1
1千葉西総合病院腫瘍内科
pp.34-38
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200152
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患者—医療スタッフ間に生まれる副作用評価の「ギャップ」
がん薬物療法は入院から外来治療にシフトし、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬が多くのがん種に使用されるようになった。それに伴い、がん薬物療法の副作用(有害事象)も多様化し、副作用が治療効果の指標となっているものもある。殺細胞性抗がん剤のように、骨髄抑制が出現したので治療延期、という単純な図式が成立しなくなっている。がん薬物療法の副作用対策を成功に導くためには、治療前の患者の包括的評価、そして患者と医療スタッフの副作用評価のギャップをどのように埋めていくのか、これがキーとなる。患者のがん治療に求める優先順位はなにか。我々医療スタッフの価値観は正しいのだろうか。そして我々はなにを目標にがん治療を進めていくのか。改めてこれら問題を問い直してみたい。
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