Feature Topic みえない副作用
症状別「みえない副作用」のアセスメント
みえない部位の副作用—口腔内
鷹野 理
1
1社会福祉法人三井記念病院薬剤部、緩和ケアチーム、化学療法室、がん診療センター
pp.76-80
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200161
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はじめに—なぜ口腔ケアが大切か
がん治療が開始され抗がん剤の投与や放射線治療が進むなかで、口腔内トラブルの管理に苦慮された経験を皆さんお持ちではないだろうか。口内炎が重篤化し、重症感染に移行するようなケースでは、口内炎の存在が抗がん剤治療の用量規定因子となりうる1。また、口内炎をはじめとした粘膜障害は食事摂取量の減少といった小さな影響から便秘や悪心、その他にも多くの苦痛症状へ波及する(Fig.1)2。結果としてその後の治療転帰にも深く影響するため、多職種での評価・介入が必要なことは明確である。対して、その重要性にもかかわらず、医療者が意識しないとみえにくい「口腔内」という場所に起こり、またその症状が「キャッチしにくい」、まさにみえない副作用であると言える。
このパートでは、このみえにくい「口腔内」に起こる副作用について、特に口内炎に焦点を当て、どう捉えればよいかCaseに沿って整理し、多職種でどうかかわるか具体的に「みえる化」していく。症例は薬剤師の介入例として示したが、読者の職種であればどのように介入するか、イメージしていただきたい。
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