特集 —え、ウソ!実は◯◯だった!?—“コモンディジーズ”の診断ピットフォール
⑥「過換気症候群」かと思ったら…!?
松尾 裕一郎
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1東京大学大学院医学系研究科 臨床疫学・経済学分野
pp.262-263
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204699
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Case
患者:34歳、女性
主訴:悪心・嘔吐、心窩部不快感、手足のしびれ
既往歴:強迫症、過換気症候群
内服:パロキセチン5mg/日
嗜好歴:喫煙なし、機会飲酒
現病歴:受診当日の17時頃から悪心・嘔吐および心窩部不快感、22時頃から四肢のしびれが出現。症状が改善しないため、同日23時頃に救急車で救急外来を受診した。軽度の悪心の訴えはあるが、落ち着いて会話は可能。
身体所見:体温36.4℃、血圧93/49mmHg、脈拍数84回/分、呼吸数24回/分、SpO2 100%(室内気)。意識レベル清明(Japan Coma Scale 0)。発汗・振戦なし。四肢の粗大な麻痺なし。瞳孔3mm/3mm、対光反射+/+。一般身体所見に特記すべき異常なし。
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