特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き!
【しびれ診療のQに答えます!】
Q3 体幹のしびれへのアプローチは?
杉田 陽一郎
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 神経内科
キーワード:
胸髄領域の診察
,
cervical line
,
腹壁の筋緊張低下による膨隆
,
Beevor徴候
Keyword:
胸髄領域の診察
,
cervical line
,
腹壁の筋緊張低下による膨隆
,
Beevor徴候
pp.154-157
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204150
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CASE
患者:64歳、男性。
主訴:体感部感覚鈍麻、微熱持続。
現病歴:来院18日前頃から37℃台の微熱と最初は左鼠径部に皮1枚貼ったような感覚があり、その後その感覚が両側へ広がり、さらに上行していき乳頭部まで拡大した。また同時期に坐位・立位で左下腹部が膨隆するように感じた。歩行に問題はなく、排尿障害はなかった。
身体所見:皮疹は指摘できず、坐位や立位で左下腹部が膨隆する所見(図1)を認め、同部位の筋緊張は低下していた。“cervical line”で非連続の感覚障害と、デルマトームC8〜Th12領域に連続する感覚障害を認めた。その他、下肢の運動障害や感覚障害、膀胱直腸障害は指摘できず、Beevor徴候は陰性、腱反射は上下肢いずれも正常範囲内、病的反射(Babinski徴候)は陰性であった。
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