特集 実地医家が楽しく学ぶ 「熱」「炎症」、そして「免疫」—街場の免疫学・炎症学
【Ⅰ章:個別の病態で切る!】エキスパートが織りなす怒涛の縦糸—個別から“理屈”をつかむ
❽炎症性腸疾患—ありふれた症状でやってくる見逃せない難病
櫻井 俊之
1
1東京慈恵会医科大学病院 消化器・肝臓内科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
Crohn病
,
5-アミノサリチル酸
,
生物学的製剤
Keyword:
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
Crohn病
,
5-アミノサリチル酸
,
生物学的製剤
pp.62-65
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203552
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Case
患者:25歳、男性。飲食店職員。
現病歴:5年前に、腹痛・下痢を生じるようになり近医を受診。特に検査はせず「過敏性腸症候群」と診断され、整腸薬内服を開始したが改善しなかった。最近、症状が増悪し、体重減少・食欲不振を伴ってきたため当院を受診した。
大腸内視鏡検査を施行し、全大腸にわたって連続する著明な発赤と浮腫、縦走潰瘍、敷石状変化を認めた。生検で類上皮細胞肉芽種を検出し、「大腸型Crohn病」の診断となった。ステロイド大量静注療法を行ったが寛解導入せず、生物学的製剤を投与し寛解導入された。
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