【臨床小説】後悔しない医者|あの日できなかった決断・第11話
希望を与える医者
國松 淳和
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1医療法人社団永生会 南多摩病院 総合内科・膠原病内科
pp.257-263
発行日 2021年2月15日
Published Date 2021/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203019
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前回までのあらすじ 今月のナゾ
季節はまだ冬。前回訪れた山梨の白川診療所から戻った黒野は、院内で懐かしい顔に出会う。以前この病院で初期研修を受けていた田山陽輔である。専門医試験を控えた田山は、かつての症例サマリーを作成しにきたのだ。その症例の1つが初診時18歳だった湯川伶子、全身性エリテマトーデス(SLE)の患者だった。田山に再会して想起された3年前の記憶を、黒野と筧がたぐる、全4回の新エピソードが始まる。
患者は、いわゆる思春期の女子高生だ。身体が重く、時にふさぎこみ、不登校にもなっている。異常行動もみられるようになってきて、母親は2つのことを心配している。1つは「精神疾患ではないか」、もう1つは「この病気は治るのか」。さて黒野は、「病状説明」の場面で、不安げな母親にどう答えるのだろうか? そして本人には?
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