Japanese
English
外科醫のノート
眼医者の希望
Wishes of on Oculist.
中島 実
1
Minoru NAKASHIMA
1
1名古屋大學眼科學教室
1Ophthalmology, Nagoya Univ.
pp.426
発行日 1950年8月20日
Published Date 1950/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200688
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- Abstract 文献概要
眼科もやはり外科の一部と考えてよいのであるが,一般の外科と異るところは手術の時の仕事か甚だ細かいことと,割合に化膿しにくいが一度化膿したら全く取返しのつかぬ眼球の潰滅を来すということ,常に機能の恢復ということに重大な関心をもつて居なければならぬということなどであろう.
特に眼科では,此の機能の保存ということが量も大切なことであるということは,眼科そのものの目的が視覚の葆存であるという点を考えて見てもわかるであろう.然るに時々外科で眼部まで手術せられた場合に眼の機能とい5ことに殆ど考慮が拂われていないかに見えることがあるのは誠に残念だと思う.最近邁遇した例にも,顔面の表皮癌の手術の時に眼瞼から眼窩まで充分に切除された後に,この欠損部を埋めるのに,大きな無根皮弁を移植してあつたが’この皮弁が直接眼球に癒着して,眼球は全く動かなくなつて,眼を開けると複親が起り且つ眼球を動かそらとすると引つ張られる感じが起り,甚だしい苦痛を訴えていた患者があつた.
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