特集 診断に役立つ! 教育で使える! フィジカル・エポニム!—身体所見に名を残すレジェンドたちの技と思考
—Blumberg徴候—腹部フィジカル最大のコントロバーシー—同時代の“エポニム医師たち”も含めた考察
徳田 安春
1
1臨床研修病院群プロジェクト 群星沖縄臨床研修センター
キーワード:
Blumberg徴候
,
反跳痛
,
腹膜炎
,
ユダヤ人
,
反ナチス
,
戦争犯罪
Keyword:
Blumberg徴候
,
反跳痛
,
腹膜炎
,
ユダヤ人
,
反ナチス
,
戦争犯罪
pp.1325-1329
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202864
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Blumberg徴候は腹部の「反跳痛(rebound tenderness)」であり1)、「腹膜炎」が存在するケースの多くでみられる所見である(図12))。ユダヤ系ドイツ人医師Jacob Moritz Blumberg(1873〜1955)が1907年に考案した3)。
1908年にロシアのDmitri Sergeevich Shchetkin(1851〜1923)が、ほぼ同じ徴候について学会で発表した際に、10年前からこの手技を使っていたと述べていたという逸話1)があるが、その真偽は不明である。しかし、正式な論文発表として行われていなかったので、このエポニムのクレジットはBlumbergにあると考えられている。
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