特集 思春期保健
10代の分娩—事例と統計的考察
玉田 太朗
1
,
佐藤 泰一
1
,
伊野田 法子
1
Taro TAMADA
1
,
Taiichi SATOH
1
,
Noriko INoda
1
1自治医科大学産婦人科教室
pp.556-563
発行日 1983年9月15日
Published Date 1983/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206748
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■はじめに
最近,性行動の若年化に伴って,若年妊娠・中絶・分娩がふえてきている.日本産婦人科学会思春期問題委員会では,昭和55年に10代妊娠850例を集計し,その社会心理的背景の分析結果を報告した.それによると70%が中絶に終っている.これについては避妊法を含めた性教育の必要性・具体化が痛感されたし,このような若い女性の中絶は,精神的ならびにその後の社会生活,母性の発達に悪影響を及ぼす可能性が強く示唆された.
本稿では,16歳の妊娠中毒症の事例を最近経験したので,その症例報告を行うと共に,若年妊娠の残りの30%に相当する,分娩に伴う危険性についての最近の私どもの調査結果を加えて述べたい.
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