慢性腎臓病 CKDの新たなパラダイムを求めて
CKDの管理、治療とその問題点 たんぱく制限のコントロバーシー
出浦 照國
1
1昭和大学藤が丘病院 内科
キーワード:
Creatinine
,
患者コンプライアンス
,
生活の質
,
低タンパク食
,
ランダム化比較試験
,
栄養指導
,
慢性腎臓病
Keyword:
Creatinine
,
Patient Compliance
,
Quality of Life
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Diet, Protein-Restricted
,
Renal Insufficiency, Chronic
pp.261-266
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011140408
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・たんぱく質制限食に関するコントロバーシーは他に例をみないほど混乱の最中にある。たんぱく質制限食が、食事療法という治療の中でひときわ厳格さが要求され、繊細な側面を有することが大きな背景であるが、ほかに具体的な問題点が多数存在する。中でも次の2点がとくに重要である。・食事療法という治療が生活そのものであり、当事者の目に見えず、現実把握が困難な医療行為であるという事実である。この重大な問題を認識して、自然科学的理論と技法のみに逃避せず、人の知をも包含して事態を全体的に把握する柔軟な医療思想と行為が不可欠である。・第二に、大規模ランダム化対照試験(RCT)は、食事療法では実行不可能な研究技法である。技法上の誤りのみでなく、不正確性を回避できないという二重の問題点が含まれている。
©Nankodo Co., Ltd., 2011