特集 困っている“あなた”に届く 認知症診療
【総論】
認知症診療—「医学モデル」からの脱却を
上田 諭
1
1東京医療学院大学保健医療学部リハビリテーション学科
キーワード:
生活の張り合い
,
自尊心の傷つき
,
病名告知の可否
Keyword:
生活の張り合い
,
自尊心の傷つき
,
病名告知の可否
pp.1448-1450
発行日 2019年12月15日
Published Date 2019/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202391
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
何を「治そうとする」のか?
認知症を診る時、私たちは何を「治そうとする」ことが必要なのだろうか? 言い換えれば、治療目標は何か?
認知症を悪くしない。少しでも良くするように努力する。また、怒りっぽいとか暴言などの行動・心理症状(BPSD : behavioral and psychological symptoms of dementia)を、なんとか抑え込もうとすることであろうか。これは従来の「医学モデル」に則った態度である。通常の内科・外科疾患ならば、これでよい。あるいは精神科的問題でも、うつや不安や不眠ならこれでよい。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.