特集 困っている“あなた”に届く 認知症診療
【認知症診療step by step】
認知症診断の流れ—「treatable dementiaはこう見抜く!」
古田 光
1
1東京都健康長寿医療センター精神科
キーワード:
せん妄
,
急性・亜急性の脳疾患
,
treatable dementia
Keyword:
せん妄
,
急性・亜急性の脳疾患
,
treatable dementia
pp.1451-1455
発行日 2019年12月15日
Published Date 2019/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202392
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Case
急速に認知症状態を呈した1例
患者:80歳、女性。
既往歴:高血圧症、洞不全症候群に対し、ペースメーカー植え込み術後。
現病歴:夫と2人暮らしで、これまで年齢なりの物忘れはあったが、認知症は疑われていなかった。夫が入院し独居となった5日後、居住するマンションで自室がわからず、他住民に連れ帰ってもらった。夜中に物を出したりしまったりと落ち着かず、嫁の悪口や「死にたい」と言ったりし、食事をあまりとれないため、かかりつけ医院で点滴を受けた。認知機能が低下した状態が続くため、認知症の疑いでドネペジルの投与が開始され、少し良くなったような印象があった。調子を崩してから3週後に当院物忘れ外来を初診し、頭部CTを施行したところ、右中大脳動脈〜後大脳動脈支配領域に広範な亜急性の脳梗塞を認めた。
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