特集 臨床写真図鑑 レアな疾患編—見逃したくない疾患のコモンな所見
レアな疾患のコモンな所見集
動脈相で濃染し、平衡相にかけて洗い出される肝腫瘍
佐伯 一成
1
1山口大学医学部附属病院 消化器内科
pp.1353-1354
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202356
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CASE
患者:60歳台、女性
主訴:全身倦怠感
現病歴:全身倦怠感を主訴に近医を受診し、小球性貧血を指摘された。その際に、上部消化管内視鏡検査で胃体上部大弯前壁側に粘膜下腫瘍を認め、精査・加療目的で当科に紹介された。「GIST(消化管間質腫瘍)」が疑われ、術前精査の腹部超音波検査で肝臓に高輝度腫瘤を指摘され精査を行った。
既往歴:36歳;アテローム切除術、60歳;飛蚊症
生活歴:飲酒なし、喫煙なし
家族歴:父・兄とも高血圧
身体所見:身長155cm、体重43.3kg、BMI 18kg/m2。意識清明、血圧137/89mmHg、脈拍数105回/分。眼瞼結膜;蒼白、眼球結膜;黄染なし。腹部;平坦・軟、自発痛・圧痛なし、肝脾触知せず。下腿浮腫なし。
血液所見:生化学;正常。血算;WBC 3,510/μL、Hb 9.4g/dL、Plt 42.4×104/μL。肝炎ウイルスマーカー;陰性、腫瘍マーカー;正常。
画像所見:腹部CT(図1)、腹部エコー(図2)
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