特集 臨床写真図鑑 レアな疾患編—見逃したくない疾患のコモンな所見
レアな疾患のコモンな所見集
この皮疹は…臭う、臭うぞ!
中河 秀憲
1
1大阪市立総合医療センター 感染症内科
pp.1341-1342
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202350
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CASE
患者:1歳、男児
現病歴:約2週間前から両頬に小紅斑・丘疹が出現し、徐々に拡大してきた。近医皮膚科を受診し、非特異的な湿疹としてステロイド含有軟膏を処方されたが改善せず、丘疹が拡大し湿潤局面を呈してきたため、再度近医皮膚科を受診し抗菌薬軟膏を処方されたが改善せず、当院の定期外来を受診した。なお、経過中に発熱はなく、全身状態は良好だった。
既往歴(周産期歴):妊娠経過異常なし。近医産院でApgar score 1点/1点(1分/5分)の重症新生児仮死として出生し、当院NICUへ新生児搬送された。低体温療法を施行したが、出血傾向(肺出血)のため完遂できなかった。低酸素性虚血性脳症(多囊胞性脳軟化症)として寝たきりの状態。嚥下障害・胃食道逆流症があり、胃ろう造設・噴門形成術後である。難治性てんかんがあり、複数の抗てんかん薬でコントロール中。
身体所見:発熱なく、バイタルサインや全身状態は安定している。診察中に明らかなけいれんはない。両頬に複数の2〜4cm大の円形または不正形の隆起し湿潤した腫瘤があり、周囲に紅暈を伴っている(図1)。体幹・四肢など、その他の部位に皮疹はない。
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