特集 病歴と診察で診断できない発熱!—その謎の賢い解き方を伝授します。
【各論】さて、この検査をしよう!
ESR対CRPの決着は?—ESR・CRP・プロカルシトニン・白血球
忽那 賢志
1,2
1国立国際医療研究センター感染症内科
2国立国際医療研究センター国際感染症センター
キーワード:
ESR
,
CRP
,
プロカルシトニン
,
白血球
Keyword:
ESR
,
CRP
,
プロカルシトニン
,
白血球
pp.434-437
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200864
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Case
患者:93歳、女性。
現病歴:今朝からなんとなく元気がないことに、介護老人保健施設の職員が気づいた。体温を測定したところ38.3℃であったため、救急外来を受診した。初療に対応した初期研修医が行った来院時の血液検査では、WBC 6,800/μL、CRP(C反応性蛋白)0.04mg/dL、ESR (赤血球沈降速度)34mm/hr、プロカルシトニン0.02ng/mLであった。「緊急性はない」と説明して帰宅としたが、翌日、念のために採取していた血液培養から、腸内細菌様のグラム陰性桿菌が検出され、ただちに病院に来院するように指示した。再受診時に行った尿検査では、膿尿および細菌尿が見られ、尿グラム染色でもグラム陰性桿菌が観察された。患者は「腎盂腎炎」と診断され、入院のうえで、抗菌薬加療が行われた。
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