特集 リウマチ・膠原病ミミック症例帖—“膠原病っぽくみえてしまう疾患たち”にだまされない!
【各論 膠原病っぽくみえてしまう疾患たち】
❿「間質性肺炎」のABC
山野 泰彦
1
1公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科
キーワード:
過敏性肺炎
,
薬剤性間質性肺炎
,
膠原病関連間質性肺炎
,
器質化肺炎
,
COP
,
非特異性間質性肺炎
,
NSIP
,
特発性肺線維症
,
IPF
Keyword:
過敏性肺炎
,
薬剤性間質性肺炎
,
膠原病関連間質性肺炎
,
器質化肺炎
,
COP
,
非特異性間質性肺炎
,
NSIP
,
特発性肺線維症
,
IPF
pp.827-833
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202169
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Case
「膠原病関連間質性肺炎」ミミック症例
患者:72歳、女性
主訴:咳嗽、息切れ
既往歴:関節リウマチ(1年半前より、ブシラミンで症状改善し継続中)
現病歴:X年12月初旬より、咳嗽・息切れを自覚。X+1年1月、通院中のクリニックを受診した際に、胸部X線・CT撮影を施行し「間質性肺炎」が指摘され、紹介受診した。リウマチの関節症状に悪化なし。膿性痰や発熱など、積極的に細菌感染を示唆する所見なし。
身体所見:関節腫脹・疼痛なし。肺音にfine cracklesあり。皮疹なし。
検査所見:以前の胸部X線;明らかな肺野異常陰影なし。血液;KL-6 1,560U/mL、SP-D272ng/mL。高分解能CT;両肺広汎に小葉中心性の淡い分岐粒状影(図1)。
経過:追加問診にて、11月末に大掃除した際、油落としの洗剤(スプレータイプ)を吸ったあとから自覚症状が出現したとのこと。病歴から、吸入に伴う「過敏性肺炎」を考えた。症状は自然に改善傾向で、また抗原回避もできているため、無治療で経過観察の方針とした。幸いにして、自然経過で陰影は消失した。
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