特集 リウマチ・膠原病ミミック症例帖—“膠原病っぽくみえてしまう疾患たち”にだまされない!
扉
陶山 恭博
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1JR東京総合病院 リウマチ・膠原病科
pp.766-767
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202154
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発熱に加えて皮疹や関節炎、腎機能障害などがあると、「膠原病かもしれない」と頭をよぎることでしょう。そして、その瞬間に専門医へ電話できたらどんなに便利だろう、と思うかもしれません。抗体検査をすべてオーダーし、なんとなくスッキリしてしまいたい、という衝動にもかられるかもしれません。でも、抗核抗体検査は結果が出るのに時間がかかり、状況によっては特異抗体の検査は不要です。実は膠原病以外の疾患であることも多く、無用な検査をせずに診断できるに越したことはありません。
「膠原病=除外診断」です。コモンディジーズや感染症、薬剤性でも“膠原病っぽい症状”を呈することは多く、コンサルトされた専門医はまず膠原病以外の“ミミック(mimic)疾患”を探索することから始めます。そこで本特集では、一般外来で遭遇しうる“膠原病っぽくみえてしまう疾患たち”を「実はコレだね!」と見抜くヒントをまとめました。専門医にコンサルトする前に、一度これらの可能性を思い出すきっかけにしていただけたら、大変嬉しく思います。「膠原病っぽいと思ったが実は違った!」という経験の積み重ねは、診断エラーの回避や非典型的なプレゼンテーションでやってくるコモンディジーズの診断プロセスの学びにも、きっとなるはずです。
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