55歳からの家庭医療 Season 2|明日から地域で働く技術とエビデンス・21
—後悔から省察へ—REFLECTIVE PRACTITIONER
藤沼 康樹
1
1医療福祉生協連 家庭医療学開発センター
pp.615-619
発行日 2019年5月15日
Published Date 2019/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202095
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ある相談
ある若い家庭医から、電話で相談がありました。
「72歳の女性の患者さんです。この5年くらい、外来に定期的に通院していました。高血圧と2型糖尿病があって、少量の降圧薬と経口血糖降下薬でコントロールは問題なかったんです。定期的に血糖や血圧をチェックしたり、自治体の健診も受けていて、特に症状もありませんでした。今年の健診で少しHbが下がっていたんですが、大丈夫だろうと思っていました。でも先々週、排便後に出血したとのことで、病院で注腸検査をやってもらったところ、かなり進行した『S状結腸がん』とのことでした。今日、検査結果を聞きにいらっしゃいます。いま振り返ると、便通異常を時々おっしゃっていたので、便潜血検査をやっておけばよかったと後悔しています…」
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