Japanese
English
特集 PTAの適応と限界
PTAの沿革と基本事項
The development and fundamentals of PTA
平松 京一
1
Kyoichi Hiramatsu
1
1慶応義塾大学医学部放射線診断部
1Department of Diagnostic Radiology, School of Medicine, Keio University
pp.915-920
発行日 1986年9月15日
Published Date 1986/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204920
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はじめに
血管造影検査はSeldinger法の開発以来現在に至るまで急速な発展をとげて来た。この間新しいカテーテルならびにその周辺装置が次々と開発され,また新しいカテーテル操作技術や薬理学的血管造影などが相次いで出現するに至って,非常に精度の高い診断が可能となって来た。多くの非侵襲性画像診断の出現にもかかわらず,依然としてカテーテル検査は種々の疾患に対する最終確定診断を下す上に必要であるばかりでなく,治療方針決定のため必要な情報を引き出すにあたって不可欠の診断法となることも少なくない。とくに血管自体の病変を画像上描出し,さらにこの治療方針を決定するためには血管造影を省略するわけにはいかない。
経皮血管カテーテル法の手技を種々の疾患に対する治療に応用する試みは次々と実用化され,現在interventi—onal angiographyと呼ばれて,その臨床的な評価も確立している。とくに血管系の病変に対しては血管カテーテルが非常に密接にアプローチできるため,その応用が急速に広まって来た。すなわち狭窄性病変に対する経皮的血管形成術percutaneous transluminal angioplasty(PTA),血栓症に対する血栓溶解術thrombolysis,血管破綻による大出血に対するエンボリゼーション,血管内異物の除去,肺動脈塞栓症予防の下大静脈フィルター挿入などである。
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