国試にたずねよ・1【新連載】
“治せる認知症”を見逃すな
山中 克郎
1
1諏訪中央病院総合内科
pp.119-121
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200747
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私は数年前、「医師国家試験問題作成委員」を3年間務めたことがある。かなり大変な仕事であった。夏から秋は毎月数日間、朝9時から夜7時頃まで霞が関の厚生労働省で缶詰になって、約25名の委員みんなで問題を修正する作業を行う。報酬はわずかで、この期間は自分の仕事は全くできない。医師国家試験(以下、国試)への批判もしばしば聞くが、委員は多大な犠牲を払いながらも良問を作成しようと試みている。心から敬意を表したい。
実は、最近は臨床現場を重視した設問が増えている。医学知識だけでなく、“臨床のセンス”が求められる。そこで本連載では、国試から「良問」をとりあげ、臨床センスをよりブラッシュアップするような解説を試みたい。医学生や国試に合格したばかりの初期研修医には、臨床ではどのように患者にアプローチするのか、現場の実際をイメージしながら医師として理解すべき大切な周辺事項を学んでほしい。
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