発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005138909
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ビタミン欠乏による神経症状には,典型的な末梢神経障害や脊髄症状以外に,認知機能障害などの痴呆症状が主症状となる場合がある.アルコール過剰摂取者,極端な偏食や無理な食生活を強いるダイエット,妊娠悪阻,消化管手術後,などが背景にある場合は,ビタミン欠乏を常に念頭に置いて診療にあたる必要がある.とくに,ビタミンB1欠乏によるKorsakoff症候群,ビタミンB12欠乏による連合性変性症を伴わない記憶および認知機能障害中心の大脳白質脳症,葉酸やニコチン酸欠乏による痴呆などが重要であり,早期診断と治療により神経症状が回復可能である点を忘れてはならない
©Nankodo Co., Ltd., 2005