発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005138913
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痴呆を示す感染症のうち,治療可能で比較的よく経験する疾患について概説した.HIV脳症は痴呆と運動障害が緩慢に進行し,MRIは脳萎縮とびまん性の白質変化を示す.抗HIV薬が有効である.単純ヘルペス脳炎ではMRIにて側頭葉病変を認め,髄液中に単純ヘルペスウイルスのDNAを検出して診断する,aciclovirが有効である.梅毒は初感染の5~15年を経て麻痺性痴呆を発症することがある.髄液で細胞数と蛋白量の増加,梅毒反応陽性を認める.ペニシリンが有効である.クリプトコッカス髄膜炎は亜急性か慢性の髄膜脳炎を示し,髄液の一般検査のほか,墨汁染色とクリプトコッカス抗原検査にて診断する.amphotericin Bやfluconazoleが有効である
©Nankodo Co., Ltd., 2005