特集 “賢い処方”と“ナゾ処方”
【“賢い処方”への第一歩】
—deprescribing⇆re-prescribing!?—問題処方の中止・中断/再開の手順と注意点
南郷 栄秀
1
1東京北医療センター 総合診療科
キーワード:
ポリファーマシー
,
マルチモビディティ
,
deprescribingプロトコル
Keyword:
ポリファーマシー
,
マルチモビディティ
,
deprescribingプロトコル
pp.459-465
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200556
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Case
deprescribingプロトコルを用いてポリファーマシーを解消した一例
患者:76歳,女性.
服薬歴:ブロプレスⓇ 8mg分1,アムロジンⓇ 5mg分1,リピトールⓇ 10mg分1,アマリールⓇ 3mg分1,トラゼンタⓇ 5mg分1,バイアスピリンⓇ 100mg分1,ネキシウムⓇ 20mg分1,アリセプトⓇD 3mg分1,デパスⓇ 1.5mg分3,マイスリーⓇ 5mg分1,メチコバールⓇ 1,500mg分3.
現病歴:肺炎で入院し,抗菌薬で治療して回復した.入院がポリファーマシー解消の好機ととらえ,減薬を試みた.
deprescribingプロトコルを用いたところ,デパスⓇとメチコバールⓇは服薬理由がはっきりせず,血圧が110/50mmHg程度しかなかったため降圧薬とベンゾジアゼピン系薬によりふらつきをきたしていると考えた.また,ネキシウムⓇは処方のカスケードによって加えられていると判断し,その他の各薬剤による利益もあまりないと判断された.そこで,まずは有害作用を引き起こしている薬剤から1〜2剤ずつ中断し,最終的にトラゼンタⓇ 5mg分1だけが残った.減薬による問題は特になく,退院した.
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