特集 ケースとクイズで総ざらい! 街場の2型糖尿病治療
【街場のケース&クイズ】
経口血糖降下薬を開始・変更・追加するケース
吉本 清巳
1
1奈良県立医科大学総合医療学
キーワード:
経口血糖降下薬
,
インスリン抵抗性
,
インスリン分泌能
,
DPP-4阻害薬
Keyword:
経口血糖降下薬
,
インスリン抵抗性
,
インスリン分泌能
,
DPP-4阻害薬
pp.297-302
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200511
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case ❶
定期的に受診はするが,内服に抵抗がある患者
あなたは,医師1人の内科クリニックに週1回診療に来ている中堅総合内科医です.あなたの勤務日は,院長は不在です.
患者:69歳,男性.当院には不定期(2〜3カ月に一度)に,胃薬の処方を希望して受診されます.消化管内視鏡や腹部エコーなどの検査を年1回は受けていて,当院には5年くらいかかっています.
現病歴:X年6月に院長が採血し,HbA1cが7.1%でした.5月にも院長がHbA1cを測っていて,その時は7.2%でした.院長はHbA1cが高いのは知っていて,定期的に測っていたようです.経口血糖降下薬は処方されていません.
あなたの外来には,同9月初旬に胃薬を希望して初めて来られました.6月のHbA1cの結果は聞きに来ておられません.あなたはその結果を説明して採血を強く勧め,血液検査をしたところHbA1cが7.4%でした.過去のHbA1c値の推移を見返すと,X-2年に一時7.3%まで上昇し,その後は食事・運動療法で6%台まで改善,X年3月までは6%台後半で,再度7%を超え出したのは5月からのようでした.
同9月下旬,2週間後のあなたの外来日に,前回の結果を聞きに受診されました.身長177cm・体重68.5kg,BMI 21.86です.患者さんは血糖値が高いことは認識していて,食事や運動はそれなりに気をつけているとのことでした.「糖尿病の薬は飲みたくない」と言っています.
※「図1 病態に合わせた経口血糖降下薬の選択」は,権利者の意向等により冊子体のみの掲載になります.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.