特集 ここを知りたい!頭部外傷初期対応・慢性期ケア
【場面別頭部外傷初期アプローチ】
アルコール摂取者における頭部外傷への対応
中山 由紀子
1
1沖縄県立中部病院救急科
キーワード:
アルコール
,
頭部CT
,
意識レベル
,
神経症状
Keyword:
アルコール
,
頭部CT
,
意識レベル
,
神経症状
pp.641-645
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200279
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Case
患者:70歳,男性.
既往歴:糖尿病,高血圧,狭心症.内服薬は不明.
現病歴:夕方から居酒屋にて泡盛3合を飲んでいた.トイレに立ったまま帰ってこないのを心配した友人が居酒屋の外に出ると,階段下で眠っている患者を発見し,病院へ連れてきた.本人は「寝ていただけ」と言う.
GCS13(E3V4M6),血圧160/90mmHg,脈拍100回/分,呼吸数24回/分,SpO2 96%(室内気).友人に支えられて千鳥足だが,明らかな四肢麻痺はない.
瞳孔両側3.0mm,対光反射あり.
後頭部に長さ約3cm,皮下組織に達する裂創と静脈性出血を認める.
軽度の意識障害が飲酒によるものかはっきりせず,高齢であり,また狭心症の既往があって抗血小板薬を服用している可能性もあり,頭蓋内出血の高リスク症例であったため頭部CTを施行.外傷性くも膜下出血を認め,経過観察のため入院となった.
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