Japanese
English
特集 食道癌診療のトピックス
アルコールと発癌
Alcohol and esophageal cancer
横山 顕
1
,
大森 泰
2
,
村松 太郎
3
Akira YOKOYAMA
1
1国立療養所久里浜病院内科
2川崎市立川崎病院外科
3慶應義塾大学医学部精神科
キーワード:
アルコール
,
アルデヒド脱水素酵素2
,
食道ヨード染色検診
Keyword:
アルコール
,
アルデヒド脱水素酵素2
,
食道ヨード染色検診
pp.1261-1265
発行日 1997年10月20日
Published Date 1997/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902856
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大酒家の食道ヨード染色検診では食道表在癌が高率(3.6%)に診断され,そのなかでも濃い酒(焼酎,ウイスキー)の飲酒家とブリンクマン指数1,000以上の喫煙家でオッズ比はそれぞれ3.3倍と2.9倍になる.さらに強力な危険因子は大酒家の約10%にみられるアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)のヘテロの欠損である.この因子はオッズ比を7.6〜12.1倍も高くする.ALDH2が代謝するアセトアルデヒドは動物に発癌性を有し,ヒトの食道癌でも重要な役割を担っている.大酒家に多い食道癌の多発重複発癌もALDH2欠損者に特に多い.ALDH2の欠損は少量飲酒時のフラッシング反応に関する簡単な質問で判別でき,ALDH2欠損者の常習的飲酒をハイリスクととらえることは癌予防の観点から重要である.
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