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Case
1.「元気がない・顔色が悪い」を主訴に入院し,ICU管理で救命できた拡張型心筋症の急性増悪が疑われた1例
患 児:1歳4カ月,男児.
主 訴:元気がない,顔色不良.
現病歴:入院11日前,感冒症状.4日前,38℃台の発熱.3日前,急に食欲なく元気なくなる.入院前日,元気なく顔色も悪い.咳嗽少し.入院当日,近医で心エコー施行.心収縮力低下を認め心筋炎疑いで紹介入院.
入院経過:心音は奔馬調律.肝3横指触知.WBC 12,300/μl,LDH 306 IU/l,CPK 79 IU/l,心エコー上左室後壁の運動ほとんど認めず.胸部X線上CTR 68%.拡張型心筋症急性増悪あるいは急性心筋炎と考えICUにて治療.入院7日目全身状態良好.心エコー上心機能の明らかな改善認めず.入院3カ月後のCTR 61%.拡張型心筋症の急性増悪と考えられた.
2.問診では血便がみられず,「元気がない・ミルクを飲まない」を主訴に入院した腸重積症の1例
患 児:8カ月,男児.
主 訴:元気がない・ミルクを飲まない.
現病歴:入院当日早朝突然激しく泣き出す.15分おきに啼泣とぐったりを何回か繰り返す.ミルク200 mlを飲んだが,その後は全く飲まなくなる.その後1回のみ少量嘔吐.排便なし.元気がなくすぐにうとうと寝てしまう.症状が変わらないため入院当日午後,救急外来受診.
入院経過:元気なく,皮膚ツルゴール低下.浣腸ではほんの少し血便がみられた.点滴するも症状軽快せず.腸重積を疑い注腸造影施行.右季肋部で流入がとまりカニ爪像が認められた.そのまま高圧浣腸施行し整復.WBC12,300/μl,CRP<0.20mg/dl.入院翌日ミルクを開始し,嘔吐がみられないのを確認し退院となる.
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