Japanese
English
特集 胆管狭窄に迫る―悪性との鑑別が問題となる良性胆管狭窄
癌との鑑別が問題となった良性胆管狭窄切除例の検討
胆嚢癌疑診例
Evaluation of chronic cholecystitis with biliary stenosis : deferentiation from gall bladder cancer
太田 岳洋
1
,
新井田 達雄
1
,
濱野 美枝
1
,
竹下 信啓
1
,
樋口 亮太
1
,
谷澤 武久
1
,
梶山 英樹
1
,
小貫 建一郎
1
,
矢川 陽介
1
,
山本 雅一
1
Takehiro OTA
1
,
Tatsuo ARAIDA
1
,
Mie HAMANO
1
,
Nobuhiro TAKESHITA
1
,
Ryota HIGUCHI
1
,
Takehisa YAZAWA
1
,
Hideki KAJIYAMA
1
,
Ken-ichiro ONUKI
1
,
Yosuke YAGAWA
1
,
Masakazu YAMAMOTO
1
1東京女子医科大学 消化器外科
1Department of Digestive Surgery,Tokyo Women's Medical University Hospital,Tokyo
キーワード:
良性胆管狭窄
,
Mirizzi症候群
,
胆嚢癌
,
胆嚢穿刺生検
Keyword:
良性胆管狭窄
,
Mirizzi症候群
,
胆嚢癌
,
胆嚢穿刺生検
pp.369-375
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100270
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
胆嚢結石の嵌頓によって生じる高度の胆嚢炎は,時に胆管狭窄を生じ胆嚢癌の胆管浸潤と鑑別困難となる.自験例の検討では胆嚢癌を否定する所見として造影 CTにおける胆嚢粘膜層の連続性は有用な所見であったが,すべての症例に認められるわけではない.一方,肝動脈,門脈の不整,狭窄像は癌のみならず炎症でも生じる所見であることに注意が必要である.結果的に良性であっても胆嚢癌を疑って拡大手術を施行することは止むを得ないとする考えもあるが,その適応決定には十分な慎重さが求められる.術前の胆嚢穿刺生検は確定診断に非常に有用であり,特に胆嚢壁肥厚型の胆嚢癌との鑑別に苦慮した際には施行する価値がある.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.