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特集 胆管狭窄に迫る―悪性との鑑別が問題となる良性胆管狭窄
胆管狭窄良悪性の鑑別診断―画像でどこまでわかるか?
ERCP
Benign biliary stricture : cholangiography features
菅野 良秀
1
,
藤田 直孝
1
,
野田 裕
1
,
小林 剛
1
,
伊藤 啓
1
,
尾花 貴志
1
,
洞口 淳
1
,
加藤 雄平
1
,
越田 真介
1
,
山下 泰伸
1
,
小川 貴央
1
Yoshihide KANNO
1
,
Naotaka FUJITA
1
,
Yutaka NODA
1
,
Go KOBAYASHI
1
,
Kei ITO
1
,
Takashi OBANA
1
,
Jun HORAGUCHI
1
,
Yuhei KATO
1
,
Shinsuke KOSHITA
1
,
Yasunobu YAMASHITA
1
,
Takahisa OGAWA
1
1仙台市医療センター仙台オープン病院 消化器内科
1Department of Gastroenterology,Sendai Open Hospital,Sendai City Medical Center,Sendai
キーワード:
良性胆道狭窄
,
胆管像
,
硬化性胆管炎
,
慢性膵炎
,
術後胆管狭窄
Keyword:
良性胆道狭窄
,
胆管像
,
硬化性胆管炎
,
慢性膵炎
,
術後胆管狭窄
pp.325-330
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100265
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要旨
悪性と鑑別が問題になる良性胆道狭窄として,硬化性胆管炎,慢性膵炎に伴う胆管狭窄,Mirizzi症候群,術後胆管狭窄などがある.硬化性胆管炎には,原発性硬化性胆管炎と自己免疫性膵炎(AIP)に関連した硬化性胆管炎があり,近年,両者は異なる疾患概念と理解され,典型的な胆管像も異なると報告されている.前者は数珠状所見,剪定状所見,憩室様突出などを特徴とし,比較的短い狭窄が多発するが,後者は比較的長い狭窄を呈することが多く,末梢胆管の拡張を伴うこともある.慢性膵炎,Mirizzi症候群は,典型的には胆管周囲の炎症による変化であり,平滑で比較的長い狭窄を呈することが多い.術後胆管狭窄は術中の胆管損傷で起こるものと理解されており,中部胆管に短いリング状狭窄を呈することが多い.いずれの疾患でも胆管像のみで良悪性を判断するのは危険であり,他の画像検査や組織学的検索と併せて,慎重な経過観察が重要である.
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