胆管癌の術前検査として胆道鏡は必要か？

Is cholangioscopy necessary for surgical treatment of bile duct cancer?

要旨

　胆管癌の標準根治術式は肝門部(上部)胆管癌に対しては拡大半肝切除，中下部胆管癌に対しては膵頭十二指腸切除術(pancreaticoduodenectomy：PD)が基本となり，広範囲胆管癌に対しては拡大右肝切除＋PDが適応となる．胆管癌に対し経皮経肝的胆道鏡(per-cutaneous transhepatic cholangioscopy：PTCS)，もしくは経口的胆道鏡(peroral cholangioscopy：POCS)は病変の良悪性の鑑別診断，粘膜内進展範囲診断のために施行されており診断能も向上しているが限界もあり上記治療戦略においては必須ではない．逆に生理食塩水灌流による胆管圧上昇と胆管炎，PTCSにおける血流障害，tract seeding，POCSにおける狭窄部通過などの問題点もあり現状としては胆道鏡の必要性は少ない．